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アニメ「氷菓」第10話 『万人の死角』感想
2012.06.26 |Category …アニメ
今週はえるちゃんがいない影響でしょうか、少し話が鬱屈とした雰囲気になってましたね。
ていうか奉太郎はえるちゃんがいないともー駄目駄目ですねw
しかし内容は最高潮に面白かった!
では続きからです!後でです!!(ry
▽つづきはこちら
美人の先輩と個室の茶屋にアバンチュールランデブーする羽目になった奉太郎。(すいません意味分かってないです
個室で二人っきり、何だか取調室みたいな息苦しい雰囲気ですが、多分狙ってこういう演出なんでしょうね。
先輩は3人の探偵候補者についての見解を尋ね、奉太郎は前回までのあらすじをOPで省略して説明しますw
すると女帝は奉太郎の推理力を誉め讃え、最初から彼女の狙いが奉太郎だったことを告げ、改めて「古典部」ではなく「奉太郎」にこの事件の真相を解明するよう依頼してきました。
「君は特別よ?」(CVゆかな)
うわぁあああ奉太郎陥落ゥゥゥううう………!!
無気力系朴念仁主人公かと思えば結構女の子に弱いことが判明しました折木性青少年。
美女の褒め殺しにあっという間に陥落。
昨今流行りの激鈍ラノベ主人公よりずっと好感が持てます。
男の子だもんね!!(満面の笑み
可愛い女の子が隣の湯に入ってたら妄想くらいしちゃうよねっ!!(満面の笑み
湯上り浴衣姿の可愛い女の子がお見舞いに来たら前屈みにもなっちゃうよねっ!!(満面のえ(ry
謎を解くためにまさかの休日登校です。摩弥花驚いてる驚いてるww
里志にも摩耶花にも女帝の影を見透かされてしまいました・・・えるが知ったら何て言うかちょっと見てみたいw
前々回に続き才能の話。
様々な分野の玄関口を訪れるだけの里志は、そんな自分にコンプレックスを持っている模様。
そしてやはり奉太郎に対して羨望を持っているようですね…顔アップに影が差しているのが印象的です。
「お前なら誰より凄いシャーロキアンになれる」という奉太郎に対して
「シャーロキアンより心惹かれるものはいくらでもある」と答える里志。
どの分野にもしっかり進む覚悟が無いから、さわりだけ経験して逃げ続ける…里志は自分をそういう風に評価しているのかもしれません。
ちょっと鬱屈とした展開に光を指してくれそうなえるちゃんは、何と二日酔いでお休み。
まぁ別の意味で癒されましたけどwチョコレートで二日酔いっておいww
もう一度映画を観てみる3人。
摩耶花は「映像として下手だから謎が引き立たない」と指摘。
何気にこれって氷菓そのものに対しても効いてくる言葉ですよね。謎そのものは日常に潜むささやかなものだけど、此アニメは映像で見事にそれを引き立たせていますから…。
里志は「一度見ただけでは密室殺人だと気付かなかった」と言いましたがこれもヒントですね。
やはり本当は殺人事件じゃなかったんじゃないでしょうか。
摩耶花はさらに「カメラワークがひどい」と指摘します。
直後に里志は補修、摩耶花は図書委員の仕事で(ツンデレしつつ)部室を出て行き、結局奉太郎は一人で謎に挑むことになりました。
どこか寂しそうに見えるのは気のせいでしょうか。あーこんな時えるがいたらなぁ!
奉太郎は一人で映画を観ながら推理し――そして一つの結論に辿り着きました。
やがて女帝が部室に現れ、奉太郎は説明を始めます。
懐中電灯を使う描写があるが、登場人物は懐中電灯を持っていない――つまり登場人物はもう一人いる。
そこから考え出した彼の推理は、
「犯人はカメラマン。皆がロビーからいなくなった後カメラの電源を切って犯行を行った。」
…正直に言って今まで数話分の展開を無視した推理だと思うんですけどね。
女帝「カメラマンは何故話しかけられていないのか?」
→折木「彼は皆に無視される存在だった(いじめられていた?)。それが動機となりえる」
女帝「この展開だと推理もへったくれもなく登場人物達が犯人に気づいてしまうが…」
→折木「観客が悩みさえすれば良いのだから、犯人は明らかで構わない。だかららこそ探偵がこの映画に登場しない」
結局この案は採用されることになりました。
新学期が始まった日、奉太郎は完成した映画の試写会に訪れます。
試写会にはリアル海藤(笑)他役者陣も含め大勢の生徒が集まっていました。
奉太郎の考え出した結末はおおむね好評で、皆なかなか楽しそうです。
教室の後ろでそれを眺めていた奉太郎の所に中条と沢木口が現れ、「意外性があって面白かった」と彼の推理を褒め称えます。
彼らの前を通った羽場は何やら舌打ち。この推理に不満があるようでした。
奉太郎はさらに古典部メンバーを見つけますが、えるは何か言いたげ、里志も麻耶花も微妙な反応。奉太郎はそれぞれの反応に違和感を感じます。
摩弥花はこれは本当に奉太郎の推理なのか何度も尋ねてから、躊躇いつつ一言言い放ちます。
「あの映画の中には、どこにもザイルが出てこなかったわよ?」
Σ(゜Д゜;) ←ホータロー
奉太郎美人にのせられて恥をかくの巻、でしたw
色付いていた世界が「灰色」になる辺りが本当に凝った演出ですね。
さて、今回は最初から最後まではらはらしっぱなしでした。
おだてられて「え?ひょっとして俺天才?」と思い始める奉太郎。
確かに彼には天賦の才というか、ひらめき力がありますけど…それを自覚してしまうのは何だか奉太郎らしくない気がする。
それに彼が作中の謎を解明出来たのは多分古典部の面々の協力があったからだと思うんですよね。
まずえるが古典部に謎を持ちこんで来て、里志が知識面で謎に関する情報を加える。
摩耶花が(意外と)確りした観察眼と常識で意見を出し、それらを元に奉太郎が答えを導き出す。
あ、後えるには野生の勘とか能力(鼻とか)があって、意外な観点からのヒントを提示する力がありますよねw
ぐだぐだしているように見えて、絶妙のチームワークです。それぞれ自分の役割をしっかり果たしてますね。
女帝は「最初から君が目当てだった。古典部等ではなく」と言いましたが、多分それはある意味買いかぶり過ぎなんだと思います。
彼が今まで名探偵たりえたのは古典部のメンバーの支えがあったからなのであって、頼るべきは古典部メンバー全員だったのです。
まぁ先輩の狙いは多分何でもいいから帳尻の合う結論を奉太郎に出させることだったと思うので、その目的は果たせてますしいいんでしょうかね。
面白かったのは3人の探偵候補たちの立場ですね。
意外性があればいい中条、推理なんてなくていい沢木口から評価された推理は、一番王道ミステリに近い推理をした羽場に否定された。
そういえば今回のヒント(提供時の画像)は「舌打ちする羽場」でしたね。
私も推理ファンなので気持ちはわかります。ていうかこれがヒントっていうのに凄くしっくりきました。
辻褄は合ってるけれど、どこか「えー・・・」という気持ちがぬぐえない微妙な心理。
雪山の山荘で怒った殺人事件の犯人が近くに隠れ住んでいた見知らぬ男だった!みたいな…。
嵐の洋館で怒った連続殺人の犯人が多重人格の使用人だった!みたいな……(あるぇ?既視感ww
何て言えばいいんでしょうねこの感じ。お約束を破られたっていうか…
上手く言い表せないけど、でもヒントが羽場だったのはきっとそういうことが言いたかったんだと思うんですよ。
そもそもホームズを勉強して映画の課題も「ミステリー」にしている様な本郷さんですから、多分一番近い考え方を持っているのは羽場さんなんじゃないですかね。
ていうかお約束といえば、ノックスの十戒とかに「画面に出ていない人は犯人じゃない」とかそういう決まりありましたよね。
ちょっと引っ張って来てみますか…
ロナルド・ノックスの十戒
1・犯人は小説の初めから登場している人物でなくてはならない。
又、読者が疑うことの出来ないような人物が犯人であってはならない。
(例、物語の記述者が犯人)
2・探偵方法に超自然力を用いてはならない。(例、神託、読心術など)
3・秘密の通路や秘密室を用いてはいけない。
4・科学上未確定の毒物や、非常にむつかしい科学的説明を要する毒物を使ってはいけない。
5・中国人を登場せしめてはいけない。(当時の欧米における人種感の反映)
6・偶然の発見や探偵の直感によって事件を解決してはいけない。
7・探偵自身が犯人であってはならない。
8・読者の知らない手がかりによって解決してはいけない。
9・ワトソン役は彼自身の判断を全部読者に知らせるべきである。
又、ワトソン役は一般読者よりごく僅か智力のにぶい人物がよろしい。
10・双生児や変装による二人一役は、予め読者に双生児の存在を知らせ、
又は変装者が役者などの前歴を持っていることを知らせた上でなくては、用いてはならない。
ヴァン・ダインの二十則
1・事件の謎を解く手がかりは、全て明白に記述されていなくてはならない。
2・作中の人物が仕掛けるトリック以外に、
作者が読者をペテンにかけるような記述をしてはいけない。
3・不必要なラブロマンスを付け加えて知的な物語の展開を混乱させてはいけない。
ミステリーの課題は、あくまで犯人を正義の庭に引き出す事であり、
恋に悩む男女を結婚の祭壇に導くことではない。
4・探偵自身、あるいは捜査員の一人が突然犯人に急変してはいけない。
これは恥知らずのペテンである。
5・論理的な推理によって犯人を決定しなければならない。
偶然や暗合、動機のない自供によって事件を解決してはいけない。
6・探偵小説には、必ず探偵役が登場して、
その人物の捜査と一貫した推理によって事件を解決しなければならない。
7・長編小説には死体が絶対に必要である。殺人より軽い犯罪では読者の興味を持続できない。
8・占いとか心霊術、読心術などで犯罪の真相を告げてはならない。
9・探偵役は一人が望ましい。ひとつの事件に複数の探偵が協力し合って解決するのは
推理の脈絡を分断するばかりでなく、読者に対して公平を欠く。
それはまるで読者をリレーチームと競争させるようなものである。
10・犯人は物語の中で重要な役を演ずる人物でなくてはならない。
最後の章でひょっこり登場した人物に罪を着せるのは、
その作者の無能を告白するようなものである。
11・端役の使用人等を犯人にするのは安易な解決策である。
その程度の人物が犯す犯罪ならわざわざ本に書くほどの事はない。
12・いくつ殺人事件があっても、真の犯人は一人でなければならない。
但し端役の共犯者がいてもよい。
13・冒険小説やスパイ小説なら構わないが、
探偵小説では秘密結社やマフィアなどの組織に属する人物を犯人にしてはいけない。
彼らは非合法な組織の保護を受けられるのでアンフェアである。
14・殺人の方法と、それを探偵する手段は合理的で、
しかも科学的であること。空想科学的であってはいけない。
例えば毒殺の場合なら、未知の毒物を使ってはいけない。
15・事件の真相を説く手がかりは、最後の章で探偵が犯人を指摘する前に、
作者がスポーツマンシップと誠実さをもって、全て読者に提示しておかなければならない。
16・よけいな情景描写や、わき道にそれた文学的な饒舌は省くべきである。
17・プロの犯罪者を犯人にするのは避けること。
それらは警察が日ごろ取り扱う仕事である。
真に魅力ある犯罪はアマチュアによって行われる。
18・事件の結末を事故死とか自殺で片付けてはいけない。
こんな竜頭蛇尾は読者をペテンにかけるものだ。
19・犯罪の動機は個人的なものがよい。国際的な陰謀とか政治的な動機はスパイ小説に属する。
20・自尊心(プライド)のある作家なら、
次のような手法は避けるべきである。これらは既に使い古された陳腐なものである。
・犯行現場に残されたタバコの吸殻と、容疑者が吸っているタバコを比べて犯人を決める方法。
・インチキな降霊術で犯人を脅して自供させる。
・指紋の偽造トリック
・替え玉によるアリバイ工作
・番犬が吠えなかったので犯人はその犬に馴染みのあるものだったとわかる。
・双子の替え玉トリック。
・皮下注射や即死する毒薬の使用
・警官が踏み込んだ後での密室殺人
・言葉の連想テストで犯人を指摘すること。
・土壇場で探偵があっさり暗号を解読して、事件の謎を解く方法。
チャンドラー・九つの命題
1.初めの状況と結末は納得できる理由が必要。
2.殺人と操作方法の技術的な誤りは許されない。
3.登場人物、作品の枠組み、雰囲気は現実的たるべし。
4.作品の筋は緻密につくられ、かつ物語としてのおもしろさが必要。
5.作品の構造は単純に(最後の説明が誰にもわかるように)
6.解決は必然的かつ実現可能なものに。
7.謎解きか暴力的冒険談かどちらかに。
8.犯人は罰を受けねばならない。
9.読者に対してはフェアプレイを(データを隠してはならぬ)
赤色のものが私が今回のケースは抵触しているのでは?と思うものです。
うーん、これらをしっかり守った筈の本郷がカメラマンを犯人にするのは少し違和感ありますね。
そもそも奉太郎の述べたいくつかの根拠は弱いと思います。
役者がちらちらカメラの方を見るのは普通に素人で意識してるからだろうし、懐中電灯のことは多分本郷に予想できなかったことだと思う。暗くてカメラに写らないかどうかは実際に撮影に入ってみないと分からないわけで、撮影現場にいなかった本郷がそこまで折り込むのはちょっときつい。
7人目の役者も別に探さなくてもカメラマンの人でいいじゃん、と思うし。
ザイルも血糊も説明がつかない、映像だけを元に考えた今回の推理。
美女のおだてに舞い上がって普段の注意力や冷静さを欠いた(笑)上に、古典部メンバーの助言も待たず焦って突っ走ってしまった感じでしょうか。
来週はきっと「やっぱり俺は駄目だなぁ」的オチになるんでしょう。
全くもう!浮気なことするから恥をかくんだぞ奉太郎(^u^)
来週は嫁にしっかりお小言をくらいなさい!w